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ChatGPT と Claude の障害は何時間で直るのか。公式記録の約10週間分では、1件の中央値は1.2〜1.4時間で、数十時間続いたのは一部の機能の件だった

ChatGPT や Claude が使えないとき、障害はよくあることなのか、何時間で直るのか。この記事では、公式ステータスページの障害記録で、1件がどれくらい続いたかを数えた。対象は OpenAI(ChatGPT・API など)、Anthropic(Claude)、比較の基準にした GitHub の3つで、日付がそろう 2026年7月26日〜10月1日(UTC、68日間)の記録だ。

この期間の記録では、1件の継続時間の中央値は 1.2〜1.4 時間で、2時間以内に解決と記録された件が OpenAI で58%(67件中39件)、Claude で74%(47件中35件)、GitHub で71%(48件中34件)だった。 一方、6時間を超えた件も OpenAI で12件、Claude で3件、GitHub で6件ある。数十時間続いた件は OpenAI と Claude に1件ずつで、どちらも1つの機能に限った件だった。

これは「同じ種類の障害が、この10週間に何件・何時間続いたか」の目安で、いま起きている障害がいつ直るかを言うものではない。いまの状況と見込みは、各社のステータスページの最新の更新が一次情報になる。各社が自分で書く記録の集計なので、稼働率や会社どうしの優劣は比べていない。

確かめたこと

最初の問いは次のとおりだ。

  • ChatGPT(OpenAI)と Claude(Anthropic)は、公式ステータスページの記録で、直近約10週間に何回の障害を出し、1回は何時間続いたのか。開発者向けの GitHub を同じ方法で数えるとどう並ぶか。

この問いは、公開 JSON の形式(件数・期間)と、障害の影響度の内訳を先に見てから立てた(データ先行)。調べる前の予想(仮説)は置いていない。

障害の話題は印象で語られやすい。公式の記録を同じ物差し(継続時間・影響度・影響した機能・日本時間の開始時刻)で数えると、「よくあること」の中身が見える。ただし公式記録が拾う障害は、各社が障害として掲載したものに限る。掲載の基準は会社ごとに違う。

1件の継続時間は、1時間以内から数十時間まで広がっていた

継続時間は、各社の記録の開始時刻から解決(resolved)の時刻までを測った。次の表は、期間内に開始した件を、継続時間の区分ごとに数えたものだ(区分は「〜時間以内」で、上の値を含む)。

区分 OpenAI Claude GitHub
0.5時間以内 12 12 6
0.5〜1時間 15 9 13
1〜2時間 12 14 15
2〜6時間 16 9 8
6〜24時間 11 2 6
24時間超 1 1 0
計 67 47 48
中央値(時間) 1.42 1.19 1.26
長い方から1割目あたりの値(時間) 8.64 3.40 7.60
最長(時間) 45.4 99.3 20.1

どの会社も、1〜2時間までに半数以上が解決している。一方で、長い方から1割目あたりの値は 3.4〜8.6 時間と、中央値の3〜6倍になる。「だいたい1〜2時間」と「半日近く続く件もある」が、どちらも同じ記録の中にある。

件数そのものは並べて優劣にしない。同じ障害を会社が1件にまとめるか分けるかで件数が変わるためだ。components 欄(影響した製品・機能)に4つ以上を挙げた件は、Claude で47件中29件、OpenAI で67件中7件、GitHub で48件中3件だった。Claude は複数の製品をまとめて1件にする書き方が多く、OpenAI は機能ごとに分ける書き方が多いように見える。この点は、各社の記録の付け方の説明を確かめたわけではない。

障害の開始があった日(日本時間)は、68日のうち OpenAI で39日、Claude で26日、GitHub で29日だった。件数と同じ理由で、日数も会社どうしの比較には使わない。

数十時間続いた件は、一部の機能の件だった

最長の件は、OpenAI で 45.4 時間、Claude で 99.3 時間だった。この2件の経過を、公式の更新文で読んだ。

  • OpenAI の 45.4 時間は、ChatGPT の「Space」の Pages で起きたエラーの件(影響度は minor)。更新文では、緩和策を適用して復旧を監視する段階に入ったのが開始の約3.7時間後で、その後も「監視を続ける」更新が重なり、約45時間後に「すべて完全に復旧した」と書かれて解決になった。監視の途中の更新には、新しいページの作成で遅い・タイムアウトする人がいるという趣旨の文もあった。
  • Claude の 99.3 時間は、Windows 版の Claude Cowork の件(影響度は major)。更新文では、9月8日に出た Windows の更新の後、ローカルコマンドを実行できなくなったと説明され、多くのユーザーでチャットやファイルの読み書きは使えると書かれている。解決は、Microsoft が9月14日の更新で修正した後だった。

長い方の上位を並べると、機能が限られた件が目立つ。

サービス 継続時間(時間) 開始(UTC) 影響度 件名(公式の表記) 影響した機能(components 欄)
OpenAI 45.4 9/30 02:20 minor Elevated errors in ChatGPT Space Pages Space
OpenAI 20.6 8/31 22:27 minor Elevated latency in the Responses API Responses
OpenAI 12.7 8/10 14:04 minor Increased error rates Conversations
OpenAI 12.1 9/10 02:21 minor Unable to open shared ChatGPT Project using direct link Conversations
OpenAI 11.2 9/14 15:58 minor Elevated errors affecting Work Mode in ChatGPT ChatGPT Work
Claude 99.3 9/10 15:54 major Degraded functionality for Claude Cowork on Windows Claude Cowork
Claude 7.1 8/5 07:05 minor Degraded performance of multiple models claude.ai ほか3製品
Claude 6.3 10/1 16:20 minor Delayed credits on the Claude Platform Console・API
Claude 4.9 7/30 05:57 major Elevated errors across many models claude.ai ほか3製品
Claude 4.3 8/12 13:50 minor Degraded performance for multiple models claude.ai ほか3製品

ChatGPT の会話やログイン、claude.ai のように、読者が「使えない」と感じやすい機能に絞るとどうなるか。OpenAI は components 欄に Conversations か Login を挙げた26件、Claude は claude.ai を挙げた36件を取り出した(どの機能を「読者の関心に近い」とするかは編集部の選び方で、公式の分類ではない)。

絞り込み 件数 中央値(時間) 2時間以内 6時間超 最長(時間)
OpenAI: Conversations または Login 26 1.28 15 4 12.7
Claude: claude.ai 36 0.88 29 1 7.1

この絞り込みでは、24時間を超えた件は無かった。ただし6時間を超えた件は OpenAI で4件、Claude で1件あり、会話機能の障害が半日近い記録(OpenAI の最長 12.7 時間)になった件もある。

記録上の「解決」には、復旧後の様子見が含まれる件がある

公式の記録は、「調査中(investigating)」「原因特定(identified)」「監視中(monitoring)」「解決(resolved)」と進む。解決の時刻は、公式が「解決」と書いた時刻で、利用者が使えるようになった時刻とは限らない。

monitoring の更新がある件で、その更新から解決までの時間を測った。

サービス monitoring の更新がある件 開始から最初の monitoring まで(中央値、時間) 最初の monitoring から解決まで(中央値、時間)
OpenAI 67件中60件 0.64 0.96
Claude 47件中24件 0.81 0.43
GitHub 48件中28件 0.54 0.30

monitoring の更新文を各社3件前後読んだ範囲では、OpenAI は「緩和策を適用し、復旧を監視している」、Claude は「問題を解決した。引き続き監視している」、GitHub は「緩和された。安定を監視している」と書いていた。全件の文は読んでいないので、すべての件がこの意味とは言えない。

影響度の付き方は、継続時間の長さとは対応していなかった

影響度(none・minor・major・critical)の件数と、継続時間の中央値を並べた。OpenAI の影響度は、history ページの状態(operational・degraded_performance・partial_outage・full_outage)を、重なる25件で公開 JSON の impact と一致することを確かめたうえで、none・minor・major・critical に読み替えた。

影響度 OpenAI 件数 OpenAI 中央値(時間) Claude 件数 Claude 中央値(時間) GitHub 件数 GitHub 中央値(時間)
none 13 1.12 2 1.73 1 0.00
minor 48 1.98 26 0.88 34 1.11
major 5 0.89 17 1.46 6 1.04
critical 1 0.93 2 1.69 7 2.83

件数が少ない区分が多く、影響度が重いほど長い、という一貫した並びは見えなかった。OpenAI は minor が48件と大半で、major・critical は計6件。Claude と GitHub は major・critical が計19件・13件ある。影響度の付け方は会社ごとの判断で、同じ「major」が同じ重さとは限らない。GitHub の none の1件は、開始と解決が同時刻(継続0時間)の記録だった。

障害の開始は、日本時間の夜から未明に多かった

開始時刻を日本時間の6時間ごとに区切って数えた。

日本時間 OpenAI Claude GitHub
0〜6時 28 17 17
6〜12時 17 7 7
12〜18時 5 7 4
18〜24時 17 16 20

どの会社も、日本時間の6〜18時に開始した件は2〜3割台(OpenAI 22件、Claude 14件、GitHub 11件)にとどまり、18時〜翌6時に多かった。偏りの理由は、公式の資料では示されておらず、今回は確かめていない。10週間・各50〜70件前後の記録なので、時間帯の傾向とまでは言わない。

並べて見えること(編集部の考察)

ここからは、上の事実と集計を並べた編集部の読みで、確定した事実ではない。

  • 「1件が何時間か」は、中央値と、長い件の中身を分けて読む方がよさそうだ。 中央値は1.2〜1.4時間でも、長い方の1割は3.4〜8.6時間を超える。最長の99.3時間は、Windows の更新が原因だったと公式が書く、Windows 版 Cowork の件だった。この数字だけを見ると、障害が数日続くように読めるが、同じ期間の claude.ai の件の最長は7.1時間だった。
  • 記録上の継続時間は、使えなかった時間より長い場合がありうる。 monitoring 以降の時間の中央値が OpenAI で約1時間あり、更新文には「緩和した」「復旧した」と書かれた例があった。そのため、解決までの時間より前に使えるようになった人もいたと考えられる。ただし、OpenAI の Space の件のように、監視中にも遅い・タイムアウトするという更新が出た例もあり、monitoring に入った時点で全員が復旧したとは限らない。記録だけでは、使えた時刻は分からない。
  • 件数の差は、障害の多さの差と読まない方がよい。 components 欄を4つ以上挙げた件の割合が、Claude で6割強、OpenAI で1割、GitHub で1割弱と大きく違う。1件に何をまとめるかが違えば、件数は変わる。

根拠が1つの観察にとどまる読み(日本時間の夜に多いことの理由など)は、考察にしていない。

確かめられなかったこと・この記事の限界

  • 期間は約10週間(2026年7月26日〜10月1日、UTC)で、季節や特定のイベントによる偏りは確かめていない。Claude と GitHub は公開 JSON が直近50件までのため、この期間より前は取れなかった。OpenAI は history ページに7月1日開始の分から97件あったが、それ以前の分や、ページが全件を載せているかは確かめていない。
  • 各社が障害として掲載した件だけを数えている。掲載されない不調や、利用者側の環境の問題は含まれない。
  • OpenAI の開始時刻は、掲載時刻にした。最初の状態更新に載った時刻の方が早い件が、期間内に6件あった(遡って登録したと見える)。その時刻を開始にすると、OpenAI の中央値は 1.42 から 1.67 時間になり、2時間以内は36件、6時間超は13件になる。解決が掲載より前になる1件(2026年7月27日)だけは、最初の更新の時刻を開始にした。
  • OpenAI の97件のうち、公開 JSON と照合できたのは直近25件で、残りは同じ抽出方法だが JSON との照合は無い。
  • 想定する検索の疑問(使えないときにいつ直るか)に対して、このデータが言えるのは過去の目安までで、いま起きている障害の復旧見込みは言えない。

付録: 方法・週別の件数・上位の件

取得したデータと集計の方法

  • Claude: https://status.claude.com/api/v2/incidents.json(50件、開始 2026-07-25〜10-01)。GitHub: https://www.githubstatus.com/api/v2/incidents.json(50件、同期間)。開始は created_at、解決は resolved_at、影響度は impact、機能は components 欄を使った。
  • OpenAI: https://status.openai.com/history に埋め込まれた構造化データ(97件、2026-07-01〜10-01 開始)から、掲載時刻・状態更新・影響度・コンポーネントを取り出した。公開 JSON(https://status.openai.com/api/v2/incidents.json、25件)と重なる25件で、継続時間と影響度が全件一致した。feed.atom の97件の ID は、history ページの97件と一致した。Claude・GitHub の history.atom の直近25件は、公開 JSON の50件に含まれていた。
  • 比較に使った期間は、3社の記録がそろう UTC 2026-07-26 00:00〜10-02 00:00(68日)に開始した件(OpenAI 67件、Claude 47件、GitHub 48件)。この期間に解決時刻の無い件は無かった。
  • 取得日はすべて 2026-10-02。外部への取得には、連絡先を含まない固定の User-Agent を使った。
  • 集計は自作のスクリプト(status_pages_aggregate.py・status_pages_summary.py)で行い、生データと集計結果を保存した。中央値と「長い方から1割目あたりの値」は、継続時間を小さい順に並べて取った値(件数が少ないので目安)。
  • 開始と解決が同時刻の件(GitHub に2件)、複数の機能を1件にまとめた件も、1件として数えた。

週ごとの開始件数

期間の開始日(UTC 7月26日)から7日ずつ区切った。最後の10週目は5日分。

週 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
OpenAI 6 4 8 5 1 7 10 14 6 6
Claude 8 7 6 6 4 8 3 2 1 2
GitHub 6 4 8 5 7 5 0 6 3 4

週ごとの件数は1〜14件の範囲で動く。この表から増減の理由は言えない。

GitHub の長い方の上位

継続時間(時間) 開始(UTC) 影響度 件名(公式の表記) 影響した機能
20.1 8/26 23:37 minor Disruption with GitHub Billing (記載なし)
18.7 9/23 10:11 minor Incident across several services API Requests
10.7 8/6 15:22 critical Incident with Actions Actions・Pages
10.5 9/16 07:20 major Degradation with Gemini 3.8 Flash Copilot AI Model Providers
9.9 8/20 14:43 critical Intermittent failures creating agent tasks (記載なし)

出典

すべて取得日は 2026-10-02。