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MCP 公式レジストリの登録は、公開から約13か月で3.9万件に。そのうち3割強が、2026年9月の1か月に集中していた

MCP(Model Context Protocol)の公式レジストリに載るサーバーは、公開から約13か月(2025年9月8日〜2026年10月1日)でどう増えたのか。この記事で確かめたのは、登録されたサーバー名の数が月ごとにどう増えてきたか。増えた分は、リモート接続型(remotes)とパッケージ配布型(packages)のどちらに偏っているかだ。

答えを先に書く。2026年10月1日に公式の公開 API から全件を取得すると、サーバー名は38,767件あった。最も古い公開日時は2025年9月8日(UTC)で、月ごとの新規登録数は2025年11月の175件から2026年9月の12,041件まで、毎月増えている。2026年9月だけで全体の31.1%にあたる。ただし、その9月の4,148件(34.4%)は、登録が100件以上ある17の名前空間に属していた。接続形態は、全体ではリモートのみが57.4%、パッケージのみが36.4%。月別に見ると、2026年3月まではパッケージのみが多く、6月以降はリモートのみが多い。

数えたのは、公式レジストリに登録されたサーバー名の数だ。動いているサーバーの数でも、使われている数でもない。レジストリは自己申告で、公式はモデレーションを保証していない。この記事は公開 API のデータを数えたもので、手元で動かして試してはいない。数え方と、言えないことは後半にまとめた。

月ごとの新規登録数は、2025年11月から毎月増えている

同じサーバー名には複数の版があり、版ごとに公開日時(publishedAt)がある。そこで、サーバー名ごとに全版の publishedAt の最小値を「最初の公開」とみなし、その月(UTC)で数えた。API の仕様では、publishedAt は「そのサーバーが最初にレジストリに公開された日時」と説明されている。

月 新規登録 累計 うち17名前空間 リモートのみ パッケージのみ 現在 deleted/deprecated
2025年9月(8日から) 460 460 131 49.3% 45.7% 6
2025年10月 299 759 86 46.8% 44.1% 6
2025年11月 175 934 0 25.7% 65.1% 4
2025年12月 280 1,214 0 24.3% 69.6% 4
2026年1月 395 1,609 5 22.3% 68.9% 8
2026年2月 1,172 2,781 74 24.1% 70.6% 96
2026年3月 2,088 4,869 30 28.5% 64.1% 179
2026年4月 2,636 7,505 435 45.6% 46.5% 98
2026年5月 3,100 10,605 647 43.4% 46.7% 103
2026年6月 3,992 14,597 910 52.9% 39.6% 150
2026年7月 5,276 19,873 401 54.8% 37.9% 226
2026年8月 6,809 26,682 1,435 67.8% 27.2% 235
2026年9月 12,041 38,723 4,148 71.5% 24.1% 190

「うち17名前空間」と接続形態・status の割合は、次の節以降で説明する。接続形態は、そのサーバー名の最新の版の記述による。2026年10月1日の分(44件。取得中にも増えていた)は月として扱わず、累計の最後の38,767件にだけ含めた。

MCP 公式レジストリで、サーバー名が最初に公開された月ごとの件数(2025年9月〜2026年9月)。全体は2025年9月の460件、2025年11月の175件から、2026年9月の12,041件まで、2025年11月以降は毎月増えている。登録が100件以上ある17の名前空間を除いた線も同じ向きで、2025年9月329件、2026年9月7,893件。
単位: 件(サーバー名。同名の複数の版は最初の公開で1件)。期間: 2025年9月〜2026年9月(UTC。2025年9月は8日から)。「17の名前空間を除く」は、名前空間ごとの登録数が100件以上のものを除いた件数。出典: registry.modelcontextprotocol.io の GET /v0/servers(2026-10-01 取得)を自分で集計

月別の新規登録数をグラフにすると、2025年9月の460件の後に一度減り、2025年11月の175件を底に増え続けている。2026年2月に1,000件を超え、7月に5,000件、9月に12,000件を超えた。登録が100件以上ある17の名前空間(次の節)を除いた線も、同じ形で伸びている。除いた場合でも、2025年11月の175件に対して2026年9月は7,893件だ。

9月の増加には、少数の名前空間への大量登録が含まれている

名前空間は、サーバー名の「/」より前の部分だ。io.github.ユーザー名 のものは GitHub 認証、com.example のようなものはドメイン認証で登録される(公式ドキュメントの説明)。io.github. で始まるものは GitHub のユーザー・組織の名前空間で、ドメインのものはそのドメインの持ち主の名前空間だ。件数が多いことは、そこが多くのサーバー名を持つことを示すだけだ。

名前空間は22,580個あり、89%にあたる20,116個はサーバー名が1件だけだ。一方で、100件以上のサーバー名を持つ名前空間が17個あり、合わせて8,304件(全体の21.4%)を占める。「100件以上」という線は、数えた後に決めたもので、公式の区分ではない。

名前空間 サーバー名の数 最初の公開が最も早い日 最も遅い日
io.github.sadri-dridi 2,365 2026-09-06 2026-09-23
io.github.pipeworx-io 1,714 2026-04-01 2026-09-30
io.github.mcp-dir 1,113 2026-06-10 2026-09-04
io.github.mrfentmen 780 2026-08-08 2026-09-24
io.github.Evozim 375 2026-04-22 2026-08-17

上位5つだけを示した。17個の一覧は付録Cにある。上位1つ(sadri-dridi)の2,365件はすべて9月に登録され、9月の新規登録の19.6%にあたる。9月全体では、17名前空間が4,148件(34.4%)で、残り7,893件が、サーバー名を100件未満しか持たない名前空間からの登録だった。17名前空間の登録が占める割合は、2025年11月・12月が0%、2026年4月が16.5%、8月が21.1%、9月が34.4%だ。

登録数が多いことを、そのままスパムや品質の問題とは読めない。公式のモデレーション方針は、「同じサーバーを別の名前で何度も登録すること」などを削除の対象としているが、この記事では個々のサーバーの中身は確かめていない。また、同じ実体が複数の名前で登録されているかどうかも調べていない。数えているのは「サーバー名」で、独立したサーバーの数ではない。

接続形態は、月別では2026年6月にリモートのみが多数派になった

サーバー名ごとに、最新の版に remotes(リモートの接続先)と packages(npm・PyPI などの配布情報)が書かれているかを見て、4つに分けた。

接続形態(最新の版) サーバー名の数 割合
リモートのみ 22,254 57.4%
パッケージのみ 14,116 36.4%
両方 1,922 5.0%
どちらも無し 475 1.2%

全体ではリモートのみが多い。ただ、その月に最初に公開されたサーバー名の接続形態の割合を月別に見ると、顔ぶれが変わる。

MCP 公式レジストリで、その月に最初に公開されたサーバー名のうち、リモート接続のみの割合とパッケージ配布のみの割合(2025年9月〜2026年9月)。リモートのみは2025年11月〜2026年3月は22〜29%で、2026年9月は71.5%。パッケージのみは2026年2月の70.6%から2026年9月の24.1%まで下がる。
単位: %(その月に最初に公開されたサーバー名のうち、最新の版の接続形態が該当する割合。両方・どちらも無しは図に出していない)。期間: 2025年9月〜2026年9月(UTC)。出典: registry.modelcontextprotocol.io の GET /v0/servers(2026-10-01 取得)を自分で集計

2025年11月から2026年3月は、リモートのみが22〜29%、パッケージのみが64〜71%で、パッケージが多かった。2026年4月・5月は両者が近く(4月はリモート45.6%・パッケージ46.5%、5月は43.4%・46.7%)、6月にリモートのみ(52.9%)がパッケージのみ(39.6%)を上回った。2026年9月は、リモートのみ71.5%、パッケージのみ24.1%だ。接続形態の割合は、17名前空間を除いても同じ向きで、除いた分でのリモートのみは2026年4月に38.3%、7月に51.3%、9月に70.9%だった。

この変化の理由は、データからは分からない。リモート接続型の登録が増えた背景(例えばリモートで提供するサービスの増加)を、この記事では確かめていない。

最新の版で packages に書かれた配布形式は、npm が10,367件、PyPI が4,142件、OCI(コンテナ)が1,019件、mcpb が961件、NuGet が137件、cargo が64件だった(1つのサーバー名が複数の形式を持つことがあり、合計は一致しない)。remotes の通信方式は、streamable-http が23,430件、sse が1,177件だった(同じく合計は一致しない)。

io.github とドメインでは、接続形態が大きく違う

名前空間の種類で分けると、io.github.* が25,539件(65.9%)、それ以外のドメインが13,228件(34.1%)だった。io.github.* は GitHub のユーザー・組織の名前空間で、異なる名前空間は12,280個ある。

名前空間の種類 サーバー名の数 リモートのみ パッケージのみ 両方 どちらも無し
io.github.* 25,539 11,069(43.3%) 12,775(50.0%) 1,266 429
ドメイン 13,228 11,185(84.6%) 1,341(10.1%) 656 46

io.github.* ではパッケージのみが半分で、ドメインではリモートのみが85%近い。サーバー名の数でも、月別の新規登録数でも、io.github.* の方が多い(2026年9月は7,225件で、その月の60.0%)。名前空間のタイプの違いが接続形態の違いを生んだのかどうかは、この数え方では分からない。

status: deleted は852件、deprecated は453件

最新の版の status は、active が37,462件(96.6%)、deprecated が453件、deleted が852件だった。deleted のサーバーの情報は、公式 FAQ によると、通常の一覧からは隠れるが include_deleted=true で取得できる。この記事の取得は include_deleted=true を付けたので、deleted も上の38,767件に含む。deleted を除いた件数は、引き算で37,915件になる。

接続形態別に見ると、deleted はリモートのみの2.9%(646件)、パッケージのみの1.0%(140件)、deprecated はパッケージのみの1.9%(270件)、リモートのみの0.5%(117件)だった。月別の表の「現在 deleted/deprecated」の列を見ると、2026年2月は96件(8.2%)、3月は179件(8.6%)で、他の月は1.3〜4.3%だった。status を変えた主体(公開者本人か、レジストリ側か)は、API の status からは区別できない。公式のモデレーション方針は、スパムや動かないサーバーなどを削除する旨を書いているが、個々の deleted がどれに当たるかは確かめていない。

数え方と、言えないこと

  • 数えたのは、2026-10-01 に取得した時点のサーバー名(38,767件)で、版は129,218件。取得は約1時間かかり、その間にも登録が続いた。最後に取得した最新の登録は2026-10-01 05:19(UTC)だった。取得中に増えた分を取りこぼしている可能性は否定できない。
  • 同じサーバー名の版が複数あるものは16,268件(42.0%)で、最多は1,177版。月別の新規登録は、サーバー名の最初の公開で1件と数えた。新しい版の公開は数えていない。
  • 接続形態と status は最新の版(isLatest が true の版。サーバー名ごとにちょうど1つあった)による。登録した時点の形ではない。
  • MCP の公式レジストリは「プレビュー」で、公式ドキュメントはデータのリセットがありうると書いている。レジストリ外のサーバー(GitHub に置かれただけのもの、他の一覧にだけあるもの)は数えていない。
  • 登録は公開者の自己申告で、公式のモデレーション方針は、モデレーションを保証せず、利用者は最小限しか行われていない前提で使うよう書いている。登録の数は、使われているサーバーの数や、エコシステムの広がりそのものではない。
  • 月別の増加の背景(MCP の普及、登録の自動化、別の仕組みの登場など)は確かめていない。「増えた」と「なぜ増えたか」は別のことで、この記事は前者だけを示した。

まとめ

公式レジストリのサーバー名は、2025年9月8日(UTC)の最初の登録から2026年10月1日までに38,767件になった。月ごとの新規登録は2025年11月の175件から2026年9月の12,041件まで毎月増え、9月だけで全体の31.1%を占めた。9月の34.4%は、100件以上を持つ17の名前空間の登録だった。接続形態は、2026年3月まではパッケージのみが多く、6月以降はリモートのみが多い。io.github.* ではパッケージのみが半分、ドメインではリモートのみが85%近い。読み取れるのは、公式レジストリの登録が、この約13か月で量も接続形態も大きく変わったという点までだ。

付録A 取得の方法

  • エンドポイント: GET https://registry.modelcontextprotocol.io/v0/servers?limit=100&include_deleted=true。metadata.nextCursor を使って最後のページまで取得した。全1,293ページ、129,218版、重複するサーバー名・版の組は0。
  • 取得日時: 2026-10-01 04:52〜05:50(UTC)。1リクエストずつ、間隔1秒以上で、ページ単位でキャッシュした。User-Agent は連絡先を含まない固定の文字列。
  • 保存: data/cache/mcp-registry/(ページ別の生データ、集計結果 derived-mcp-registry-2026-10-01.json、サーバー名ごとの集計行)。集計スクリプトは scripts/mcp_registry_aggregate.py、取得は scripts/mcp_registry_fetch.py。

付録B 集計の定義

  • 最初の公開: 同じ name の全版の publishedAt の最小。月は UTC。
  • 接続形態: 最新の版に remotes が1件以上あるか、packages が1件以上あるか。
  • 名前空間: name の「/」より前。io.github. で始まるものを io.github、それ以外をドメインとした。
  • status: 最新の版の _meta の status。

付録C 100件以上を持つ17の名前空間

io.github.sadri-dridi(2,365)、io.github.pipeworx-io(1,714)、io.github.mcp-dir(1,113)、io.github.mrfentmen(780)、io.github.Evozim(375)、io.github.CSOAI-ORG(354)、ai.smithery(214)、io.usefulapi(210)、io.github.theluckystrike(184)、io.github.jmshinhwa(155)、io.github.cyanheads(139)、io.github.codespar(127)、app.wishpool(125)、io.github.Wxt-ai(122)、com.a2awire(116)、eu.ansvar(110)、io.github.Br0ski777(101)。接続形態は、リモートのみ6,483件(78.1%)、パッケージのみ1,572件、両方244件、どちらも無し5件だった。

出典