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Ollama 公式ライブラリ240モデルの累計 pull は、上位10モデルに56%が集中していた。サイズ別では、9B以下を含むモデルに約8割

手元の PC でローカル LLM を動かすとき、Ollama の公式ライブラリでは、どんなモデルが実際に取られているのか。この記事で確かめたのは、累計 pull 数の上位が、どの大きさ(〜3B / 4〜9B / 10〜39B / 40B以上)と、どの機能タグ(tools・vision・thinking・embedding)に偏っているかだ。

答えを先に書く。2026年10月1日に取得した一覧240モデルのうち、累計 pull の上位10モデルが全体の56%(丸めの幅を見積もっても55〜57%)を占めた。大きさで見ると、9B未満のサイズを1つでも持つモデルが150件(62.5%)で、pull の合計の79.1%がそこにあった。10B以上のサイズしか持たないモデルは64件(26.7%)で、pull は10.6%だった。ただし pull はモデル単位の数字で、サイズ別には分けられない。9B以下を持つモデルの多くは、70B や671B といった大きなサイズも同じモデル名の中に持っている。機能タグでは、tools が付いたモデルに pull の57%があった。

累計 pull は公開から長いモデルほど積み上がる数字で、この記事はそれを取り除いていない。公開時期の影響は、一覧の並び順と更新日で確かめた範囲だけを後半に書いた。数えたのは公式ライブラリの一覧の数字で、実際に使われている量や、モデルの良し悪しではない。

上位10モデルが、累計 pull の56%を占める

一覧240モデルのうち、全240件に pull が表示されていた(nimble の9,010、tev1 の7,526のように、1,000以上でもカンマ区切りで表示されるものがある)。表示値の合計は約10.7億(丸めの幅は10.5〜10.9億)。モデルごとの pull は中央値で約100万、100万以上が129件で、その129件が全体の95.0%を占める。10万未満は10件だった。

上位10モデルは次のとおり。

順位 モデル 累計 pull(表示値) 全体に占める割合 サイズのタグ 機能タグ 更新 Newest 並びの位置
1 llama3.1 120M 11.2% 8B〜405B tools 2024-11 138位
2 deepseek-r1 93.3M 8.7% 1.5B〜671B tools, thinking 2025-07 89位
3 nomic-embed-text 87.7M 8.2% 表示なし embedding 2024-02 174位
4 llama3.2 84.7M 7.9% 1B・3B tools 2024-09 118位
5 qwen2.5 41.4M 3.9% 0.5B〜72B tools 2024-09 122位
6 gemma3 40.8M 3.8% 270M〜27B vision 2025-08 80位
7 qwen3 38.5M 3.6% 0.6B〜235B tools, thinking 2025-10 72位
8 gemma2 33.8M 3.2% 2B〜27B なし 2024-08 147位
9 mistral 33.8M 3.2% 7B tools 2025-07 220位
10 gemma4 26.1M 2.4% E2B〜31B vision, tools, thinking, audio, cloud 2026-09 36位

「Newest 並びの位置」は、一覧を「Newest」で並べ替えたときの順位(1が先頭)で、公開の順序に近いと見ているが、公式の定義は確かめていない(後述)。上位24モデル(240件の10%)で全体の73.4%になる。1位の llama3.1 だけで11.2%、上位4モデルで36.0%だ。表の更新はそのモデルの最終更新で、公開日ではない。

大きさ別に見ると、9B以下を含むモデルに pull の約8割がある

pull はモデル(ollama.com/library/llama3.1 のような単位)ごとの合計で、8B と 70B のどちらが何回取られたかは、一覧からは分からない。そこで、モデルごとにタグに出ているサイズを見て、2通りに分けた。

1つ目は、そのモデルの最小のサイズで分けたもの。

最小のサイズ モデル数(割合) pull の合計(割合) pull の中央値 上位10に入る数
〜3B 80(33.3%) 568M(53.0%) 1.45M 7
4〜9B 70(29.2%) 280M(26.1%) 1.0M 2
10〜39B 39(16.2%) 86.0M(8.0%) 1.1M 0
40B以上 25(10.4%) 27.8M(2.6%) 0.60M 0
サイズのタグなし 26(10.8%) 110M(10.2%) 0.40M 1

〜3B の区分は上位10のうち7件が入る。ただし、この区分には deepseek-r1(1.5B〜671B)や qwen2.5(0.5B〜72B)のように、大きなサイズも持つモデルが含まれる。pull が小さなサイズに対して付いたとは言えない。

2つ目は、小さいサイズと大きいサイズの両方を持つかどうかで分けたもの。9B以下を「小さい」、10B以上を「大きい」とした。

区分 モデル数(割合) pull の合計(割合) pull の中央値 上位10に入る数
最大が9B以下 80(33.3%) 242M(22.6%) 0.99M 2
9B以下と10B以上の両方 70(29.2%) 605M(56.5%) 1.3M 7
最小が10B以上 64(26.7%) 114M(10.6%) 0.80M 0
サイズのタグなし 26(10.8%) 110M(10.2%) 0.40M 1

9B以下を含む「最大が9B以下」と「両方」を合わせると150件(62.5%)で、pull の79.1%になる。大きなサイズだけを持つモデルは、件数では4分の1強あるが、pull は1割ほどで、上位10にも入っていない。一方で、小さなサイズだけを持つモデルの pull は22.6%にとどまり、56.5%は小さいサイズも大きいサイズも持つモデルにある。つまり、この集計から言えるのは「小さなサイズが取られている」ことではなく、「小さなサイズを選べるモデルに pull が集まっている」ことまでだ。

サイズのタグが付いていない26モデルは、クラウド向けのラベル(cloud)が付いたものが12件、embedding が2件(nomic-embed-text と nomic-embed-text-v2-moe)、ラベルが何も付いていないものが4件だった。この区分の pull の合計110M のうち、88.7M(約81%)は nomic-embed-text(87.7M)と nomic-embed-text-v2-moe(1M)の2件にある。タグが無いことは、サイズが無いことを意味しない(一覧にタグとして出ていないだけ)。

機能タグ別では、tools が pull の57%を占める

一覧のラベルのうち、機能にあたるのは tools・thinking・vision・embedding・audio・cloud だった。1つのモデルに複数のラベルが付くため、割合の合計は100%にならない。

機能タグ モデル数(割合) pull の合計(割合) pull の中央値 上位10に入る数
tools 92(38.3%) 614M(57.3%) 1.0M 7
thinking 42(17.5%) 228M(21.3%) 0.45M 3
vision 39(16.2%) 165M(15.4%) 0.90M 2
embedding 12(5.0%) 126M(11.8%) 2.7M 1
cloud 16(6.7%) 48.4M(4.5%) 0.40M 1
機能のラベルなし 120(50.0%) 249M(23.3%) 1.0M 1

audio は gemma4 の1件だけで、表から外した。tools の92件は、上位10のうち7件を含む。embedding は12件しかないが、中央値は2.7Mで、表の中では最も高い。ただしその合計126Mのうち、nomic-embed-text の87.7Mが約69%を占める。

cloud ラベルの意味は、この記事では確かめていない。公式ドキュメントは、クラウドモデルは Ollama のサーバーで動き、ダウンロードが要らないと説明している。そのため、cloud ラベルのモデルの pull が、手元にダウンロードされた回数と同じ意味かどうかは分からない。ローカルで動かす読者の問いとしては、cloud の行は参考にとどめる。

公開時期の影響は、Newest 並びと更新日で見える範囲だけ確かめた

累計 pull は、公開から取得までの期間が長いほど積み上がりやすい。一覧には公開日が出ていないため、次の2つで古さの目安を作った。

1つ目は、一覧を「Newest」で並べたときの順位だ。先頭が新しいと見ているが、「Newest」が作成日の順であるという公式の説明は確かめていない。更新日の順ではないことは、一覧の並びと Updated の日時が一致しない例があることから確かめた。240件を60件ずつの4区分に分けた。

Newest 並びの区分 pull の合計(割合) pull の中央値 更新日の範囲
先頭60件 105M(9.8%) 0.39M 2025-09-23〜2026-09-30
61〜120位 389M(36.3%) 1.1M 2024-09-18〜2026-02-04
121〜180位 444M(41.5%) 1.2M 2024-01-29〜2025-07-23
181〜240位(最後尾) 133M(12.4%) 1.0M 2023-10-11〜2025-07-13

先頭60件は pull の中央値が約39万で、他の3区分(100万〜120万)より低い。最後尾の60件は、中央値が121〜180位の区分よりわずかに低く、合計も少ない。pull が古さの順に単調に増えているわけではない。

2つ目は、最終更新が取得日の1年以内(2025-10-01以降)かどうかだ。1年以内のモデルは62件(25.8%)で、pull の合計は14.4%、中央値は約43万だった。それより前のモデルは178件(74.2%)で、85.6%、中央値は110万。上位10のうち8件は1年以上前の更新で、2件(qwen3 と gemma4)は1年以内だった。

ここから考えられること。Newest 並びの先頭に近い新しいモデルの pull が少ないことは、公開からの期間が短いことと整合する。ただし、期間の短さが原因かどうかは、この表だけでは分けられない(個々のモデルの公開日と pull の推移を取っていないため)。gemma4 は Newest 並び36位、更新は2026年9月で、26.1M と上位10に入っているため、新しいモデルの pull がすべて少ないわけでもない。

大きさの結果が古いモデルの偏りだけで出ているかも見た。Newest 並びの前半120件と後半120件に分けて、先ほどの4区分の pull の割合を出した。

区分 前半120件(新しい側)の pull の割合 後半120件(古い側)の pull の割合
最大が9B以下 24.6%(37件) 20.8%(43件)
9B以下と10B以上の両方 55.8%(28件) 57.1%(42件)
最小が10B以上 15.8%(34件) 6.2%(30件)
サイズのタグなし 3.7%(21件) 15.8%(5件)

どちらの半分でも、「両方」の区分が pull の半分強を占めた。「最小が10B以上」は、新しい側のほうが割合が大きい(15.8%と6.2%)。この数え方で言えるのは、「9B以下を含むモデルに pull が集まる」傾向が、Newest 並びの前半と後半の両方で見えたことまでだ。公開時期以外の要因(モデルの知名度、配布経路など)は、この集計では分けていない。

数え方と、言えないこと

  • 数えたのは、2026-10-01 に取得した一覧240モデルの表示値だ。pull は一覧で丸めて表示される(120M、93.3M、944.5K など)。合計や割合は丸めた値から計算しており、丸めの幅を最大に見積もっても、表の割合から±3ポイント以内に収まる。
  • 「Pulls」の定義は、ollama.com の一覧・モデルのページには書かれていない(モデルのページでは Downloads と表示される)。ダウンロードの回数か、ユニークな利用者の数か、同じ人の再取得を含むかは確かめていない。
  • pull はモデル単位の合計で、サイズ・量子化ごとの内訳は取っていない。モデル個別のページにあるタグの一覧(サイズ・容量)は、全240件分は取得していない。
  • 機能タグ・サイズのタグは、一覧に表示されたラベルをそのまま使った。ラベルの付け方(誰がいつ付けるか)は確かめていない。
  • 公開日は取得していない。Newest 並びは公開順に近いと見た目安で、各モデルの正確な公開日ではない。
  • 公式ライブラリに載るモデルの集合は、Ollama が選んだものだ。Hugging Face など他の配布元から Ollama で動かされるモデルは数えていない。
  • 実際に使われている量・性能・品質の比較ではない。この記事は、手元でモデルを動かして試してはいない。

まとめ

Ollama 公式ライブラリの累計 pull は、2026年10月1日時点で、上位10モデルに56%、上位24モデルに73.4%が集まっていた。大きさの面では、9B以下のサイズを持つモデルに pull の79.1%があり、10B以上のサイズだけを持つモデルは26.7%の件数で pull は10.6%だった。ただし pull はモデル単位で、小さなサイズを選べるモデルに集まっていることまでしか言えない。機能タグでは tools が57.3%を占めた。公開時期の影響は、新しい側のモデルの pull が少ない傾向と整合するが、それが原因かどうかは分けられていない。

付録A 取得と集計の方法

  • 取得: https://ollama.com/library(既定の並び)と https://ollama.com/library?sort=newest(Newest の並び)を、2026-10-01 に1回ずつ取得した。ログインなし・間隔を空けた単発の取得で、User-Agent は連絡先を含まない固定の文字列。robots.txt は存在しなかった(404)。どちらも240モデルで、モデル名の集合は一致した。
  • 保存: data/cache/ollama-library/(2つの HTML、解析結果 parsed-2026-10-01-r2.json、集計結果 derived-ollama-library-2026-10-01-r2.json)。解析は scripts/ollama_library_parse.py、集計は scripts/ollama_library_aggregate.py。
  • 解析した項目: モデル名、説明、ラベル(サイズ・機能)、Pulls(表示値)、Tags の数、Updated(UTC の日時)。

付録B 集計の定義

  • pull の数値化: 表示値の K=千、M=百万として換算した。丸めの幅は、表示された最後の桁の半分を上下に見て計算した。全240件に pull が表示されており、すべて合計と中央値に含めた(カンマ区切りの表示値も数値に換算した)。
  • サイズ: 一覧のラベルのうち、数字+b(十億)・m(百万)の形のものをサイズとした。e2b・e4b は2B・4B として扱った。8x7b のような形は、8×7=56B とした。4B 未満を「〜3B」(3.8B を含む)、4B以上10B未満を「4〜9B」、10B以上40B未満を「10〜39B」、40B以上を「40B以上」とした。
  • 最小・最大のサイズ: モデルのタグに出ているサイズのうち、最も小さいもの・大きいもの。サイズのタグが1つも無いモデルは「サイズのタグなし」にした。
  • 機能タグ: tools・thinking・vision・embedding・audio・cloud をラベルとして数えた。
  • Newest 並びの位置: ?sort=newest の並びでの順位。前半120件=1〜120位、後半120件=121〜240位。
  • 1年以内の更新: Updated が 2025-10-01 以降。
  • 中央値: 全240件(または区分内の全件)の表示値の中央値。表の中央値は有効数字2桁に丸めた(〜3B 区分の実値は1,450,000)。

出典