青空文庫の年間アクセス上位10は、2009〜2022年の14年で17作品しか出入りしなかった。ただしXHTML版とテキスト版で顔ぶれは違う
青空文庫でいちばん読まれている作品は、年によって入れ替わるのか。この記事で確かめたのは、青空文庫が公開している年間のアクセスランキング(2009〜2022年、XHTML版・テキスト版とも各500位)で、上位の顔ぶれが年をまたいでどれだけ入れ替わるか、どの作者に偏っているかだ。14年分×2種類の28枚の表を取得して解析し、上位10と上位50を数えた。
先に結果を書く。
- XHTML版では、隣り合う年の上位10は8〜9件が共通だった。14年間に上位10へ入ったのは17作品で、「こころ」「吾輩は猫である」「走れメロス」の3作品は14年すべてで入っていた。
- 上位10の延べ140件のうち、夏目漱石・宮沢賢治・太宰治・芥川龍之介の4人の作品が115件(82%)。年ごとでは7〜9件だった。
- 入れ替わりが小さいといっても、2009年と2022年を比べると上位10の10件のうち共通は6件だった。「〔雨ニモマケズ〕」は9位から1位、「坊っちゃん」は3位から15位に動いている。
- テキスト版は、上位の顔ぶれが別だった。毎年上位10に入った作品はXHTML版で3、テキスト版で6あり、両方に共通するのは「こころ」「吾輩は猫である」の2作品だけ。テキスト版では4人の作品が上位10の5〜9件で、5件の年(2013・2014年)もあった。
編集部の予想は、「年間上位10作品は2009〜2022年を通じて顔ぶれの入れ替わりが小さく、夏目漱石・宮沢賢治・太宰治・芥川龍之介の作品が大半を占める」だった。この予想は調べる前に記録したものだが、2022年の上位9件の作品名だけは、資料の形式を確かめるときに先に見ていた。年をまたぐ入れ替わりの大きさや作者別の件数は、見ていなかった。結果はXHTML版ではほぼ予想どおり、テキスト版では一部だけ当てはまった(判定は後の節にまとめた)。
読みどころは、「よく読まれる定番」がXHTML版とテキスト版という2つの数え方で別の顔ぶれになる点だ。内容は公式ランキングの最終更新(2023-01-05)までで、それ以降は含まない。
XHTML版の上位10は、隣り合う年で8〜9件が同じだった
次の表は、XHTML版の年間ランキングを自分で並べ直したものだ。前年との共通は、その年の上位10(上位50)のうち前年の上位10(上位50)にも入っていた件数を指す。
| 年 | 1位 | 上位10の前年との共通(件) | 上位50の前年との共通(件) | 上位10のうち4人の作品(件) | 上位10の取り分(500位までの合計に対して) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2009 | こころ | ― | ― | 8 | 19.2% |
| 2010 | こころ | 8 | 42 | 7 | 18.9% |
| 2011 | こころ | 8 | 43 | 8 | 22.0% |
| 2012 | 〔雨ニモマケズ〕 | 8 | 45 | 8 | 22.0% |
| 2013 | こころ | 8 | 40 | 7 | 20.1% |
| 2014 | こころ | 8 | 43 | 8 | 20.0% |
| 2015 | こころ | 9 | 42 | 8 | 22.1% |
| 2016 | 〔雨ニモマケズ〕 | 9 | 44 | 8 | 23.8% |
| 2017 | 〔雨ニモマケズ〕 | 9 | 45 | 9 | 23.7% |
| 2018 | 〔雨ニモマケズ〕 | 9 | 47 | 9 | 24.1% |
| 2019 | 〔雨ニモマケズ〕 | 9 | 44 | 9 | 23.4% |
| 2020 | 〔雨ニモマケズ〕 | 9 | 43 | 9 | 24.2% |
| 2021 | 〔雨ニモマケズ〕 | 9 | 45 | 8 | 25.0% |
| 2022 | 〔雨ニモマケズ〕 | 9 | 47 | 9 | 22.2% |
上位10の共通は2010〜2014年が8件、2015年以降は9件だった。上位50は40〜47件が前年と重なる(上位50は、同じ題名・同じ作者の図書カードが複数あるとき1作品にまとめて数えたので、2009・2019〜2022年は49作品、それ以外は50作品)。1位は14年のうち〔雨ニモマケズ〕が8回(2012年と2016〜2022年)、「こころ」が6回で、この2作品しか1位になっていない。
「上位10の取り分」は、上位10のアクセス数の合計を、500位までの合計で割った値だ。2009年の19.2%から2021年の25.0%まで、途中の上下はあるがおおむね高まる向きで動き、2022年は22.2%に下がった。分母は500位までの合計で、サイト全体のアクセス数は公式ランキングに載っていない。年間の1位のアクセス数は、2021年が440,634、2022年が329,655だった。
14年で上位10に入ったのは17作品、うち3作品は毎年
XHTML版の上位10に1度でも入った作品を、入った年数の順に並べた。
| 作品 | 作者 | 上位10に入った年数(14年のうち) | 最初〜最後の年 |
|---|---|---|---|
| こころ | 夏目漱石 | 14 | 2009〜2022 |
| 吾輩は猫である | 夏目漱石 | 14 | 2009〜2022 |
| 走れメロス | 太宰治 | 14 | 2009〜2022 |
| 〔雨ニモマケズ〕 | 宮沢賢治 | 13 | 2009〜2022 |
| 山月記 | 中島敦 | 13 | 2010〜2022 |
| 羅生門 | 芥川竜之介 | 12 | 2009〜2022 |
| 人間失格 | 太宰治 | 11 | 2009〜2022 |
| 銀河鉄道の夜 | 宮沢賢治 | 11 | 2011〜2022 |
| ドグラ・マグラ | 夢野久作 | 9 | 2009〜2021 |
| 夢十夜 | 夏目漱石 | 8 | 2015〜2022 |
| 坊っちゃん | 夏目漱石 | 6 | 2009〜2017 |
| やまなし | 宮沢賢治 | 5 | 2014〜2022 |
| 蜘蛛の糸 | 芥川竜之介 | 5 | 2009〜2020 |
| 谷崎潤一郎氏 | 芥川竜之介 | 2 | 2012〜2013 |
| 地球儀 | 牧野信一 | 1 | 2013 |
| 方丈記 | 鴨長明 | 1 | 2010 |
| 蟹工船 | 小林多喜二 | 1 | 2009 |
上位10は14年で延べ140件ある。10年以上入った8作品(こころ〜銀河鉄道の夜)で102件(73%)を占め、毎年入った3作品だけで42件(30%)を占める。1年だけの3作品(地球儀・方丈記・蟹工船)と2年の「谷崎潤一郎氏」は、合わせて5件にとどまる。
上位50でも同じ形だった。14年間に上位50へ入った作品は93作品で、24作品が毎年、19作品が1年だけ入っている。上位50の延べ695件のうち、毎年入った24作品が336件(48%)、10年以上入った38作品が504件(73%)を占める。ただし2009年と2022年は観察期間の両端なので、「1年だけ」の中には期間の外でも続いている作品が含まれうる。
作者は4人で上位10の82%。ただし5人目に中島敦がいる
上位10の延べ140件を作者で数えた。作者は、公式の表の「著者名」欄のリンク先で分けた。
| 作者 | 上位10に入った延べ件数 |
|---|---|
| 夏目漱石 | 42 |
| 宮沢賢治 | 29 |
| 太宰治 | 25 |
| 芥川竜之介 | 19 |
| 中島敦 | 13 |
| 夢野久作 | 9 |
| 小林多喜二・鴨長明・牧野信一 | 各1 |
上位10のうち4人の作品は、2009〜2022年の毎年7〜9件で、延べでは115件(82%)になる。「大半」を過半数(6件以上)の目安にすると、全14年で当てはまる。5人目の中島敦は「山月記」の13件で、4人に次ぐ。
上位50(同じ題名・同じ作者の行をまとめた延べ695件)では、4人の順位が変わる。宮沢賢治が121件で最多、芥川竜之介101件、夏目漱石84件、太宰治74件で、4人の合計は380件(55%)だった。上位10では漱石が最多だったが、上位50では賢治の作品の数が多い。賢治は14年のうちに上位50へ入った作品が11作品あり(「〔雨ニモマケズ〕」「注文の多い料理店」「銀河鉄道の夜」は毎年)、漱石の8作品(「こころ」「吾輩は猫である」「坊っちゃん」「夢十夜」「草枕」は毎年)より多い。上位10では少数の作品に集まり、上位50では作品の数が多い、という違いが出ている。上位50でも、森鴎外29件、梶井基次郎27件、新美南吉27件が続く。
入れ替わりの中身: 2009年と2022年で4件が替わり、順位も動いた
上位10の共通は、隣り合う年では8〜9件だが、14年離れた2009年と2022年では6件になる。共通するのは「こころ」「人間失格」「吾輩は猫である」「羅生門」「走れメロス」「〔雨ニモマケズ〕」。2009年にあって2022年に無いのは「坊っちゃん」「蟹工船」「ドグラ・マグラ」「蜘蛛の糸」、2022年にあって2009年に無いのは「山月記」「銀河鉄道の夜」「夢十夜」「やまなし」だった。
この14作品の順位を、4つの年で並べた(XHTML版。表はこの記事で作った)。
| 作品 | 2009年 | 2013年 | 2018年 | 2022年 |
|---|---|---|---|---|
| 〔雨ニモマケズ〕 | 9 | 2 | 1 | 1 |
| 山月記 | 13 | 8 | 4 | 4 |
| 銀河鉄道の夜 | 18 | 7 | 8 | 6 |
| 夢十夜 | 16 | 13 | 9 | 8 |
| やまなし | 193 | 16 | 11 | 9 |
| 走れメロス | 4 | 3 | 3 | 2 |
| 羅生門 | 8 | 11 | 6 | 5 |
| こころ | 1 | 1 | 2 | 3 |
| 吾輩は猫である | 7 | 5 | 7 | 7 |
| 人間失格 | 2 | 9 | 5 | 10 |
| ドグラ・マグラ | 6 | 6 | 15 | 16 |
| 蜘蛛の糸 | 10 | 15 | 10 | 13 |
| 坊っちゃん | 3 | 14 | 12 | 15 |
| 蟹工船 | 5 | 34 | 24 | 53 |
上がったのは〔雨ニモマケズ〕、山月記、やまなし(193位から9位)、下がったのは坊っちゃん、蟹工船、ドグラ・マグラだった。順位が動いた理由は、ランキングの表からは分からない。
1年だけ上位に来た作品も、XHTML版の上位10に2つある。「谷崎潤一郎氏」(芥川竜之介)は2012年に4位(112,992)、2013年に10位(74,053)で、2011年は496位、2014年は58位だった。「地球儀」(牧野信一)は2013年に4位(128,402)に入り、2012年は500位までに無く、2014年は153位だった。2作品とも、テキスト版の2012・2013年の上位10には入っておらず、「谷崎潤一郎氏」はテキスト版の500位以内にもなかった(2011〜2014年)。「地球儀」の2013年のテキスト版は451位(3,334)だった。同じIPからは24時間に1回しか数えない決まりでも、別のIPからのアクセスは数に入るため、人の読者の増加かどうかはこの資料からは分からない。理由は確かめていない。
テキスト版は顔ぶれが別だった
同じ年の同じ500位までの表でも、テキスト版はXHTML版と上位の顔ぶれが違う。
| 年 | XHTML版との上位10の共通(件) | 1位(XHTML版) | 1位(テキスト版) | 上位10のうち4人の作品(テキスト版、件) | 上位10の取り分(テキスト版) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2009 | 9 | こころ | ドグラ・マグラ | 8 | 15.8% |
| 2010 | 5 | こころ | 坊っちゃん | 7 | 15.2% |
| 2011 | 7 | こころ | 人間失格 | 6 | 15.8% |
| 2012 | 6 | 〔雨ニモマケズ〕 | こころ | 6 | 16.0% |
| 2013 | 5 | こころ | こころ | 5 | 14.3% |
| 2014 | 5 | こころ | こころ | 5 | 13.5% |
| 2015 | 6 | こころ | こころ | 8 | 13.8% |
| 2016 | 6 | 〔雨ニモマケズ〕 | 吾輩は猫である | 6 | 14.4% |
| 2017 | 6 | 〔雨ニモマケズ〕 | こころ | 7 | 13.1% |
| 2018 | 6 | 〔雨ニモマケズ〕 | こころ | 8 | 13.1% |
| 2019 | 5 | 〔雨ニモマケズ〕 | 人間失格 | 8 | 15.5% |
| 2020 | 5 | 〔雨ニモマケズ〕 | こころ | 8 | 16.0% |
| 2021 | 7 | 〔雨ニモマケズ〕 | こころ | 9 | 15.8% |
| 2022 | 6 | 〔雨ニモマケズ〕 | こころ | 9 | 14.2% |
共通は2009年だけ9件で、2010年以降は5〜7件だった。テキスト版でも隣り合う年の上位10は7〜9件が共通し、入れ替わりが小さい点はXHTML版と同じだ。違うのは中身で、テキスト版の上位10に入った作品は14年で23件(同じ題名で図書カードが別の「羅生門」「三国志」を含み、題名では21作品)ある。毎年入った6作品は「こころ」「吾輩は猫である」「人間失格」「坊っちゃん」「ドグラ・マグラ」「銀河鉄道の夜」で、XHTML版の毎年3作品(こころ・吾輩は猫である・走れメロス)と共通するのは「こころ」「吾輩は猫である」の2作品だけだ。
順位の差も大きい。「走れメロス」はXHTML版で14年とも2〜5位だが、テキスト版では7〜27位(上位10に入ったのは2009年・2021年・2022年の3年)。「山月記」はXHTML版の上位10に13年入るのに、テキスト版は16〜90位。〔雨ニモマケズ〕はXHTML版で2016〜2022年が1位だが、テキスト版では同じ期間に9〜20位だった。テキスト版にだけ上位10入りした作者には、江戸川乱歩(2016〜2018年、「怪人二十面相」「人間椅子」「二銭銅貨」)、吉川英治(2014〜2015年の「三国志」)、柳田国男(2013・2014年の「遠野物語」)がいる。
4人の作品は、テキスト版の上位10の延べ140件のうち100件(71%)で、夏目漱石43、太宰治22、宮沢賢治18、芥川竜之介17だった。年ごとでは5〜9件で、2013年と2014年は5件にとどまり、過半数(6件以上)に届かない。夢野久作(14件、毎年の「ドグラ・マグラ」)、小林多喜二(7件)、江戸川乱歩(6件)がそれに次ぐ。
500位までの合計アクセス数は、2013年以降の動きが2つの版で分かれる。XHTML版は2010年に一度下がったあと2022年まで毎年増え、テキスト版は2009年から2013年まで増えたあと下がった。
| 年 | XHTML版(500位までの合計) | テキスト版(500位までの合計) |
|---|---|---|
| 2009 | 4,176,550 | 1,242,978 |
| 2011 | 4,453,633 | 3,406,976 |
| 2013 | 5,544,716 | 4,547,274 |
| 2015 | 6,013,304 | 2,813,471 |
| 2017 | 6,732,725 | 2,522,727 |
| 2019 | 6,954,091 | 2,310,260 |
| 2020 | 8,159,001 | 2,363,833 |
| 2022 | 8,740,800 | 1,976,028 |
XHTML版は2009年から2022年にかけて約2.1倍になった(14年分の合計は28表のHTMLから足し直して確かめた)。テキスト版は2009年の約124万から2013年の約455万まで増えたが、2013年をピークに、2022年は約198万(2013年の43%)まで下がった。どちらの版も、同じ年の中の上位10の取り分はテキスト版のほうが小さい(テキスト版13〜16%、XHTML版19〜25%)。この数え方の違いや変化の理由は、ランキングのページには書かれておらず、確かめていない。2009年のテキスト版(約124万)は2010年の約285万と大きく違うが、この年の集計期間は、表の見出しが「(2009)」とあるだけで期間が書かれていない(2011年以降は「2011.01.01 - 2011.12.31」のように書かれている)。目次ページはこの年を「2009年通年」としているが、月別ページとの照合はしていないので、この差の理由は確かめていない。
判定と考察(筆者)
ここからは筆者の考察で、根拠は上で示した自作の集計だ。
予想の判定。 前半の「入れ替わりが小さい」は、隣り合う年で見るとXHTML版で8〜9件、テキスト版で7〜9件が共通で、当てはまった。ただし14年離れると、XHTML版の2009年と2022年は6件の共通で、順位も動いていた。後半の「4人の作品が大半」は、XHTML版では全14年で7〜9件(過半数の目安の6件以上)で当てはまった。テキスト版は、2013・2014年が5件で、全年には当てはまらなかった。まとめると、XHTML版ではほぼ支持、テキスト版では一部だけ支持になる。
定番と呼べるもの。 「こころ」と「吾輩は猫である」は、XHTML版・テキスト版のどちらでも14年すべてで上位10に入った。2つの版で同じ顔ぶれが並ぶ作品は、この2作品が確認できた範囲だ。それ以外の「定番」は、数え方で変わる。「走れメロス」「山月記」「〔雨ニモマケズ〕」はXHTML版で強く、「ドグラ・マグラ」「坊っちゃん」「人間失格」「銀河鉄道の夜」はテキスト版で毎年上位10に入っていた。この違いが、読み方(ブラウザで読む、ファイルとして保存するなど)の違いによるのかは、ページに書かれておらず、確かめていない。
読まれる理由。 上位の作品がなぜ読まれるのかは、この記事では確かめていない。ランキングの表は作品名・作者・アクセス数だけを載せ、読まれる理由は載せていない。また、アクセス数は、同じIPアドレスから同じファイルへの24時間以内の2回目以降を数えない公式の数え方によるもので、最後まで読まれたか、内容が面白かったかを示す値ではない。
予測は、公式ランキングが2023年から更新されておらず根拠が足りないため、この記事では書かない。
確かめられなかったこと
- 2023年以降のランキング。公式ページは2023-01-05が最終更新で、2022年までしか無い。
- 2009年(と2010年)の集計期間。年間表の見出しは「(2009)」「(2010)」の形で、2011年以降の「2011.01.01 - 2011.12.31」のような期間が書かれていない。ただし目次ページは両年とも「2009年通年」「2010年通年」と表記している。2009年は目次ページの作成日が2009-02-05だが、月別ページは、2026-10-01に2009_01_txt.html の1枚だけ取得して、表の見出しに期間(2009.01.01 - 2009.01.31)が書かれていることを確かめた。月別12枚の合計と年間表の合計との照合はしていない。
- XHTML版とテキスト版の違い(何がどう読まれた数か)。
- 順位の上下や、特定の年だけ上位に来た作品(「谷崎潤一郎氏」「地球儀」)の理由。
- 作者が分からない行。表の「著者名」欄が空の行が6行あった(2009・2010年のXHTML版の4行、2009年のテキスト版の2行。作品は「まざあ・ぐうす」「アイヌ神謡集」)。いずれも189位以下で、上位10・上位50の集計には入っていない。作者は推測で補っていない。
- メインサイト以外(ミラーなど)のアクセス。公式の説明は「メインサイトにおける、作品ファイルへのアクセスランキング」で、それ以外は含まれない。
まとめ
XHTML版の年間ランキングでは、上位10は隣り合う年で8〜9件が共通で、14年間に入ったのは17作品、そのうち3作品は毎年だった。上位10の82%は夏目漱石・宮沢賢治・太宰治・芥川龍之介の作品で、編集部の予想はおおむね当たった。ただし2009年から2022年では10件のうち4件が入れ替わり、「〔雨ニモマケズ〕」「山月記」が上がり、「坊っちゃん」「蟹工船」が下がった。テキスト版は上位の顔ぶれが別で、毎年入った作品も、両方に共通するのは「こころ」「吾輩は猫である」の2作品だけだった。
付録A 取得と解析の方法
- 取得: 青空文庫の「アクセスランキング」(https://www.aozora.gr.jp/access_ranking/)の目次と、年間のXHTML版・テキスト版の表(`2009_xhtml.html`〜`2022_txt.html` の28ページ)。取得日は2026-10-01。1ページ1回、1.5秒の間隔を空けた。User-Agent は連絡先を含まない固定の文字列。
- 公式の説明(目次ページ): 「メインサイトにおける、作品ファイルへのアクセスランキングを、ファイル種別ごとに、500位まで示します」「同じIPアドレスから、同じファイルへのアクセスは、24時間ごとに1回と数えています」。作成2009.2.5、最終更新2023.01.05。
- 解析: 表の行(順位・図書カードのURL・作品名・著者名のリンク・アクセス数)を正規表現で取り出した。2009・2010年の表は図書カードのURLの引用符の書き方が他の年と違い(
href=https://…とhref="https://…")、簡易な解析では0行になったが、両方の形に対応して、28表すべてで500行を取得できた(順位が1〜500で欠けなく並ぶことを確かめた)。 - 保存:
data/cache/aozora-ranking/(目次と28表の html、集計結果derived-aozora-ranking-2026-10-01.json)。集計はscripts/aozora_access_ranking.py。
付録B 集計の定義
- 上位10の作品: ランキングの1行(図書カード1件)。同じ題名でも図書カードが別なら別の行として数える。2009年のXHTML版の「羅生門」は8位と15位に別の図書カードがある。XHTML版の上位10には、同じ題名・同じ作者の行が2つ入った年は無い。テキスト版では2014年に「三国志」(吉川英治)の別の図書カードが2つ入っている(7位と10位)。
- 上位50の作品: 題名と作者(著者名リンクの人物ID)が同じ行を1作品にまとめた。題名は副題を無視した主題名で束ねている(副題込みの題名で数えると、XHTML版の14年間の上位50は94作品になる)。そのため年によって49〜50作品になる(テキスト版は37〜49作品)。上位50の作者別・年数の集計はこの単位。
- 作者: 表の「著者名」欄のリンク先の人物ID。表の表記のとおり数え、図書カード側などで補っていない。
- 前年との共通: 前年の上位10(上位50)にも入っていた件数。上位10は図書カード単位、上位50は題名+作者単位。
- 取り分: 上位10のアクセス数の合計 ÷ 500位までのアクセス数の合計。
- 4人: 夏目漱石・宮沢賢治・太宰治・芥川竜之介(表の表記は「芥川 竜之介」)。
- 上位50の延べ件数: 14年分の上位50に入った作品の数の合計(XHTML版695、テキスト版644)。
出典
- 青空文庫「アクセスランキング」目次(作成2009.2.5・最終更新2023.01.05、集計の数え方、ファイル種別。2026年10月1日取得): https://www.aozora.gr.jp/access_ranking/
- 青空文庫「アクセスランキング」年間XHTML版・テキスト版(2009〜2022年。表の例: 2022年XHTML版、2026年10月1日取得): https://www.aozora.gr.jp/access_ranking/2022_xhtml.html / https://www.aozora.gr.jp/access_ranking/2022_txt.html (他の年は同じ形で
年_xhtml.html・年_txt.html)