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ポケモンの種族値は世代ごとに上がったのか。全1025種を数えて分けてみた

「最近のポケモンは強い」と言われることがある。この記事では、その印象を、全1025種の種族値を世代ごとに数えて確かめた。

先に答えを書く。新しく登場したポケモンの種族値合計の平均は、第1世代の407.6から第9世代の457.4まで、たしかに上がっていた。ただ、区分に分けて数えると、「1匹ずつが強くなった」とは読みにくかった。

  • 進化前のポケモンの平均は、第1世代の339.0から第9世代の312.9へ、むしろ下がっていた
  • 伝説・幻の平均は、第1世代の604.0から第9世代の573.8で、上がっていなかった
  • 進化し切った通常のポケモンと、進化しない通常のポケモンは、第7世代を除く第4世代以降が490台で横ばいだった。第9世代の高さは、パラドックスポケモン20種を除くと目立たなくなる
  • 全体の平均が上がった主な要因は、「進化前の割合が減ったこと」と「進化しない新顔・パラドックスポケモンの増加」と読める(ただし両者は重なっており、独立した要因ではない)

この記事で確かめたのは「第1世代から第9世代まで、新しく加わったポケモンの種族値合計は本当に上がっているのか」という点だけだ。種族値合計はゲーム内の強さそのものではない(技・特性・対戦環境にも左右される)。強さの議論には踏み込まない。

なお、この記事はポケモンの公式・任天堂・ゲームフリーク等とは関係のない、非公式の個人メディアの記事だ。公式の画像・イラストは使っていない(図1は自作のグラフ)。

平均は、たしかに上がっていた

データは PokeAPI から取った。PokeAPI はファンが運営するデータベースで、公式データそのものではない(公式ポケモンずかんとの照合は後半に書く)。2026-09-30 に全1025種を取得し、種ごとの既定のフォルムの種族値(HP・攻撃・防御・特攻・特防・素早さ)を足して集計した。メガシンカ、リージョンフォームなどの別フォルムは数えていない。世代は、その種が初めて登場した世代とした。

世代 種数 平均 中央値 最大 うち伝説・幻
第1 151 407.6 405 680 5
第2 100 407.2 415 680 6
第3 135 403.7 410 680 10
第4 107 445.6 480 720 14
第5 156 425.8 445.5 680 13
第6 72 429.3 450 680 6
第7 88 449.4 480 680 16
第8 96 439.2 481.5 690 12
第9 120 457.4 488.5 670 12

表1: 世代別の種族値合計(全1025種、PokeAPI、自分で集計)

上がり方は一直線ではない。第1〜第3世代は400台前半で、第4世代で445.6に跳ね、第5世代で425.8に戻り、第9世代で457.4になる。中央値は第3世代の410から第9世代の488.5へ、平均よりはっきり上がった。

区分に分けると、見え方が変わる

種を4つに分けた。伝説・幻(PokeAPI の伝説・幻のフラグが付いた94種)、それ以外を、他の種に進化する「進化前」(446種)、進化元があり自身は進化しない「最終形」(364種)、進化元も進化先もない「単独」(121種)とした。

世代 進化前(種数) 最終形(種数) 単独(種数) 伝説・幻(種数)
第1 339.0(83) 485.8(56) 456.4(7) 604.0(5)
第2 330.7(50) 478.7(35) 414.0(9) 616.7(6)
第3 308.2(62) 478.7(45) 427.6(18) 616.0(10)
第4 315.0(39) 501.3(49) 439.0(5) 616.4(14)
第5 333.4(75) 498.1(54) 472.4(14) 607.7(13)
第6 329.9(34) 502.3(27) 474.6(5) 626.7(6)
第7 323.5(28) 495.0(21) 497.8(23) 540.2(16)
第8 310.0(35) 503.2(38) 477.4(11) 578.8(12)
第9 312.9(40) 502.9(39) 547.4(29) 573.8(12)

表2: 世代×区分の種族値合計の平均(括弧内は種数)

進化前は300台前半から330台のあいだを動くだけで、第1世代より高い世代はない。最終形は第4世代以降、500前後で落ち着いている。伝説・幻は第6世代の626.7が最も高く、第9世代は573.8に下がっている(第7世代の540.2は、コスモッグの200とメルタンの300を除くと581.7になる)。単独だけが、第1世代の456.4から第9世代の547.4へ大きく上がっている。

各世代で新しく登場したポケモンの種族値合計の平均を、4本の折れ線で並べた図。全体の平均は第1世代の407.6から第9世代の457.4へ上がる。進化前は第1世代の339.0から第9世代の312.9へ下がる。進化し切った通常のポケモンと進化しない通常のポケモン(第7・第9世代の特殊な集団を除く)は、第1世代の482.5から第9世代の498.5で、第4世代以降は第7世代を除いて490台。伝説・幻は第1世代の604.0から第9世代の573.8で、第6世代の626.7が最も高い。
(自作)縦軸は種族値合計の平均で、300から700まで(0からではない)。横軸は、そのポケモンが初めて登場した世代。「最終形と単独」は伝説・幻を除き、第7世代のウルトラビースト9種と第9世代のパラドックスポケモン20種も除いた通常のポケモン。出典: PokeAPI(ファン運営、2026-09-30 取得)を自分で集計。ポケモン・任天堂・ゲームフリークなどとは関係のない非公式の集計

図1で見えるのは、進化前の線は上がっておらず、最終形・単独の線は第4世代以降ほぼ横ばいで、全体の線だけが右上がりになっていることだ。(図の右端の数字は四捨五入で、第9世代の全体は457、進化前は313、伝説・幻は574と表示される。)ただし単独は上がっている。動いたのは区分の割合と、単独の中身かもしれない。次の節で確かめる。

上がった分は、どこから来たのか

進化前の割合が減っていた

伝説・幻を除いた通常のポケモンについて、進化前が占める割合と、平均を並べた。

世代 通常のポケモンの平均(種数) うち進化前の割合 特殊な集団を除いた平均(種数)
第1 400.9(146) 56.8% 400.9(146)
第2 393.8(94) 53.2% 393.8(94)
第3 386.7(125) 49.6% 386.7(125)
第4 419.8(93) 41.9% 419.8(93)
第5 409.2(143) 52.4% 409.2(143)
第6 411.4(66) 51.5% 411.4(66)
第7 429.2(72) 38.9% 409.1(63)
第8 419.3(84) 41.7% 419.3(84)
第9 444.5(108) 37.0% 414.1(88)

表3: 通常のポケモン(伝説・幻を除く)の平均、進化前の割合、特殊な集団を除いた平均

進化前は第1世代の56.8%から第9世代の37.0%に減っている。逆に単独は、通常のポケモンの4.8%(7種)から26.9%(29種)に増えた。区分の平均は進化前が最も低いので、進化前の割合が減れば、区分の中の値が同じでも全体の平均は上がる。

試しに、割合だけを入れ替えて計算した。第1世代の区分別の平均に第9世代の割合(進化前37.0%・最終形36.1%・単独26.9%)を当てはめると423.5になる(実際の第1世代は400.9)。逆に、第9世代の区分別の平均に第1世代の割合(56.8%・38.4%・4.8%)を当てはめると397.0で、第1世代の実際の値を下回る。第1世代から第9世代への差(43.6ポイント)のうち、割合の入れ替えだけで22.6ポイント(第1世代の平均を基準にした計算)から47.5ポイント(第9世代の平均を基準にした計算)が動く。基準の取り方で幅はあるが、割合の変化が大きく効いている。

第7・第9世代の特殊な集団

もう一つ目立つのが、表2の第9世代の単独(547.4)だ。この29種のうち20種は、パラドックスポケモン(コライドン・ミライドンを除く。種族値合計は570〜590)だった。第7世代の単独にも、ウルトラビースト9種(すべて570)が入っている。PokeAPI にはこの2つの集団を示す項目がないので、名前で分類した。パラドックスポケモンは、公式ポケモンずかんの分類欄と第9世代の全120種を突き合わせ、22種(この20種とコライドン・ミライドン)が一致することを確かめた。ウルトラビーストの9種は、公式資料との照合をしていない。

この計29種(パラドックス20種とウルトラビースト9種)を除くと、通常のポケモンの平均は表3の右端の列になる。第1世代の400.9から第9世代の414.1へ13.2ポイント上がるが、最低は第3世代の386.7で、最高は第4世代の419.8だ。世代が進むほど上がる、という形にはなっていない。

考察: 「強くなった」印象はどこから来るか

ここから先は、数えた結果をもとにした筆者の考察だ。

「最近の世代ほど強い」という印象の出どころとして、平均の上昇と、単独で種族値合計が高い顔ぶれの増加が考えられる。平均は表1のとおり実際に上がっているが、その上がり方は、進化前の割合の減少(表3)と、単独の高い集団(表2・表3)で説明できる部分が大きいと考える。ただし、割合入れ替えの試算と特殊集団の除外は、パラドックスポケモンが単独の増加の一部でもあるため独立しておらず、重なっている。同じ立場、たとえば最終形と単独(特殊な集団を除く)どうしで比べると、第1世代の482.5と第9世代の498.5の差は16.0ポイントで、第4世代以降はほとんど動いていない。

ただし、これは印象の出どころについての仮説で、遊んだ人の実感を調べたわけではない。進化前が減った理由や、パラドックスポケモンの値を高くした意図は、公式には示されていないので、この記事では書けない。言えるのは「何が増減したか」までだ。

確かめた範囲と、確かめていない範囲

PokeAPI の値をそのまま信用してよいか、公式ポケモンずかん(zukan.pokemon.co.jp)で抜き取り照合した。ずかんは種族値の数値を載せていない代わりに、6つの能力を1〜10の段階で表示している。詳細ページが読み込む JSON を、1件1.2秒以上の間隔で56種分だけ取得した。56種は、各世代から5種ずつ無作為に選んだ45種と、パラドックス・ウルトラビースト・伝説・リージョンフォームに関わる種など12種を足した数だ(重複1種を除く)。

  • 能力の段階表示: 56種×6能力=336個の値どうしのすべての組(54,646組)で、種族値が大きいのに段階が小さいという矛盾は0件だった。段階が上がるほど対応する種族値の範囲も上へ動き、隣り合う段階の範囲は重ならなかった(付録B)
  • 進化の分類: 伝説・幻を除く44種のうち、ずかんの進化ツリーがあった34種(進化前19・最終形15)は、この記事の分類と全て一致した。ツリーがなかった10種は、この記事で「単独」に分けた種だった
  • パラドックスポケモン: 第9世代の全120種で、ずかんの分類とこの記事の20種が一致した(前節)

照合できていないこともある。種族値の数値そのもの(ずかんは段階のみ)、世代の割り当て、伝説・幻のフラグ、ウルトラビーストの分類、抜き取っていない969種の値だ。また、PokeAPI の値は取得した時点のものであり、過去の作品で値が変更された種があるかどうかは確かめていない。この範囲の結果を、全1025種の値が公式に正しいと言うために使ってはいない。


付録A: 集計の条件

  • 取得: PokeAPI(https://pokeapi.co/)の pokemon-species 全1025件と、各種の既定フォルム(is_default が true のもの)の pokemon 1025件を、2026-09-30 に取得してローカルに保存した
  • 種族値合計: HP・攻撃・防御・特攻・特防・素早さの6つの基礎値の合計。フォルムによって値が違う種でも、既定フォルムだけを使った(例: デオキシスのノーマルフォルム)
  • 世代: pokemon-species の generation。別フォルムの導入世代ではなく、種が初登場した世代
  • 伝説・幻: is_legendary または is_mythical が true の種(94種)。ウルトラビースト・パラドックスポケモンにはこのフラグが付いていない(コライドン・ミライドンは付いている)
  • 進化前: 他の種の evolves_from_species になっている種。ただし、別フォルム(リージョンフォーム)からだけ進化する先を持つ6種(カモネギ、マッスグマ、バリヤード、サニーゴ、ハリーセン、バスラオ)は、基本形では進化しないため進化前に数えなかった。この6種はすべてずかんの抜き取りに入れ、進化ツリーが一致することを確かめた(バリヤードは、ずかんのツリーが「ガラルのすがた」から進化する形で示している)
  • 最終形: 進化元があり、進化しない種。単独: 進化元も進化先もない種
  • 集計: 世代別・区分別に、種数・平均・中央値・最大・最小を出した(scripts/pokeapi_stats.py)。平均は小数第1位に丸めた

付録B: ずかんの段階表示と種族値の対応(抜き取り56種、336値)

ずかんの段階 対応した種族値の範囲 値の数
1 10〜15 4
2 20〜30 4
3 35〜51 62
4 52〜68 76
5 69〜85 75
6 87〜100 49
7 103〜118 37
8 120〜135 19
9 137〜140 7
10 154〜165 3

段階の境目の正確な値は公式には示されていないため、抜き取りで見えた範囲だけを表にした。

出典